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APDA/AFPPD ウェビナー:ソーシャルメディアが子どもと若者にもたらす影響

2025.11.10 

11月10日、人口と開発に関するアジア議員フォーラム(AFPPD)並びにアジア人口・開発協会(APDA)は、「ソーシャルメディアが子どもと若者にもたらす影響」と題したウェビナーを開催しました。17か国から国会議員、専門家、政府関係者、市民社会代表など約60名がオンラインで参加し、オーストラリアの先駆的な取り組みと、ネパールにおけるソーシャルメディア禁止をめぐる現状ついて共有する貴重な機会となりました。開会挨拶において、上川陽子AFPPD議長・国際人口問題議員懇談会(JPFP)会長は、ソーシャルメディアが世界中の若者をつなぎ、学びや自己表現の場を提供する一方で、心理的影響や有害コンテンツへの曝露、日常生活への悪影響といったリスクも伴うことについて問題提起をしました。その上で、子どもと若者にとって安全なデジタル環境を整備するためには、エビデンスに基づく政策が不可欠であると強調しました。

セッション1では、Carina Garland議員・APGPD共同議長が、SNSアカウントの作成・保有に関する最低年齢を16歳と定めた「オンライン安全改正法(SNS最低年齢)2024」について説明し、子どもの健全な発達を守りながら、適切なデジタル・リテラシーの向上を目指す取り組みであると述べました。続いて、ウェスタン・シドニー大学Young and Resilient Research Centre共同ディレクターのAmanda Third教授は、若者がより危険なオンライン空間へ移行してしまうリスク、保護者間の見解の相違、アカウント登録を行わなくても子どもが容易に有害情報へアクセスできてしまう現状などを指摘しました。また、保護者・事業者・政府を含むエコシステム型のアプローチ、機能に着目した規制の導入、さらに国際協力の強化の重要性を強調しました。

セッション2では、ネパールのカトマンズ大学のBipin Adhikari教授が、Z世代による抗議運動について報告しました。教授は、政府による26のソーシャルメディア・プラットフォームの禁止措置に加え、腐敗への不満や経済的不平等、デジタルの自由を求める声の高まりが、抗議活動の引き金となったと説明しました。Instagram、TikTokなどのプラットフォームが情報共有や動員に大きな役割を果たし、最終的には禁止措置の撤回、政府の崩壊、新たな総選挙の実施につながったと述べました。また、ネパールの現行法制度は十分とは言えず、プライバシー保護、自由民主主義、適切な規制、国際協力のバランスを取ることが必要であると指摘しました。

閉会にあたり、上川AFPPD議長は、オーストラリアの施行後における議会の継続的なフォローアップ、参加者間の情報共有、そして若者の声を政策形成に反映させることの重要性を改めて強調しました。本ウェビナーは、国際家族計画連盟(IPPF)及びプラン・インターナショナル・ジャパンの後援、オーストラリア人口・開発議連(APGPD)及びネパール人口・開発議連(NFPPD)の協力により開催されました。

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