設立背景
人口急増が、開発途上国の社会開発・経済発展に重大な支障をきたしているという問題意識を背景に、1973年、岸信介元首相を団長に日本の国会議員有志がアジアの人口事情を視察した。議員団は人類の平和を脅かす人口分野に対する我が国の国際協力が、アメリカ政府、スウェーデン政府など多くの先進国に比べて、著しく立ち遅れていることを強く認識した。
1974年4月、人口問題を中心とする資源・食料危機に深い関心を寄せる日本の国会議員有志が、「国連人口基金(UNFPA)及び国際家族計画連盟(IPPF)の基本主旨に賛同し、人口問題とこれに関連する資源・食料・環境並びに国際協力等の諸問題を研究し、かつその対策を建議する」ことを目的に、世界で初めて人口問題に関する超党派議員組織、「国際人口問題議員懇談会(JPFP)」を設立した。
人口問題の解決にあっては、国民の代表である立法府の議員が各国で人口政策や人口プログラムの形成に積極的に努力することが重要であるとして、国際人口問題議員懇談会は、国連などの国際機関とも密接な協力関係を持ちながら、世界各国の人口と開発問題に関する議員グループとの交流、各国の人口事情視察団の派遣、人口と開発に関する数多くの国際会議への参加を通じて、活発な活動を行っている。
2004年12月にはトラヤ・オベイドUNFPA事務局長、スティーブン・シンディングIPPF事務局長を日本に招いて設立30周年記念総会・レセプション・公開セミナーを開催した。
JPFPの活動内容
●国内活動:
国内での主な活動として、総会や役員会、また4つの部会が各々に会合を開催している。部会では人口問題への理解を深めるため、専門家などを招いて各部会のテーマにそった協議を行っている。また、関係省庁などに国際的人口問題の重要性を訴え、日本国政府の人口問題への拠出に対する支援を行っている。
◇国際協力部会
世界の人口・開発分野の状況を把握し、日本の国際協力のあり方について検討。より効果的で有効な人口・開発分野での国際協力を積極的に支援する。
◇国内対策部会
日本の人口事情(少子高齢化・都市化問題)の現実を把握し、次の世代の日本が活力ある社会となるための政策について検討を行う。
◇女性問題部会
人口問題の解決を図る上で必要となる女性のエンパワーメント(能力、地位等の向上)の実現を図る。UNFPA/IPPFへの協力をはじめ各国の女性議員と積極的に情報交換・交流を行う。
◇地球規模問題部会
人口増加による国境を越えた地球規模の諸問題を検討し、国際的な人口・開発・環境問題の解決に向けた積極的な活動を行う。
●国際活動:
国際的な活動として、アジア地域を中心に人口と開発に関する国際会議を主催し、参加している。年に一度財団法人アジア人口・開発協会(APDA)主催で開催される「人口と開発に関するアジア国会議員代表者会議(通称APDA会議)」、また3年に一度開催される「人口と開発に関するアジア議員フォーラムAFPPD」の大会にも積極的に参加している。
1994年、エジプト・カイロでの「国際人口・開発会議」に合わせて開催された「人口と開発に関する国会議員会議(ICPPD)」には、中山太郎会長をはじめ多数の日本議員が参加した。同会議でAFPPD議長ICPPD運営委員会議長・事務総長を務めた桜井新・副会長はじめJPFP会員の積極的な働きかけによって、アフリカ・アラブ地域に常設の人口・開発国会議員フォーラムが創設された。
このアラブ・アフリカ議連との連携のもと、2001年には「アフリカ・アジア国会議員会議」を東京で開催した。アフリカから13カ国、アジアから16力国の国会議員が集まり開発へのパートナーシップについて討議した。JPFPはカイロ以降も積極的な活動を続け、1999年オランダ・ハーグで開催された「ICPD評価のための国会議員会議(IFP)」での成果は、「国際人口会議評価のための国連総会文書」にも明確に反映された。
また2002年カナダ・オタワ、2004年フランス・ストラスブールで開催された「ICPD行動計画実施のための国際人口・開発議員会議(IPCI)」ではJPFPを代表して谷津義男AFPPD議長-JPFP幹事長が起草委員長を務め、オタワ宣言ならびにストラスブール宣言を採択した。この会議は2006年にはタイのバンコクで開催予定であり、本年中にAPDA-JPFP共催で同会議運営委員会を開催するなど、JPFPの活動は世界的な影響力を持つに至っている。
●アジアの人口・開発事情視察
- 派遣事業
毎年、JPFPメンバーはアジアの中から対象国を選定し、その国の人口と開発に関する事情視察を行っている。これは、国連人口基金(UNFPA)、国際家族計画連盟(IPPF)や国際協力機構(JICA)のフィールド活動を見学し、今後の人口・開発分野への協力・援助をより効果的なものとすることを目的としている。また、現地政府要人を表敬し、人口・開発に関する議員組織と交流しながら、二国間の協力関係強化に務めている。
2003年はベトナム(ホーチミン、ホアビン、ハノイなど)、2004年はカザフスタン(アルマティ・アスタナ、ショルタンジー、バクバクティなど)、2005年は、カンボジア(プノンペン・シェムリアップ)を訪問し、UNFPAが支援している保健ボランティアの活動を視察した。
また2005年にはスマトラ島北部大地震ならびに津波被災地の視察事業を行い、日本政府からの協力の現状、UNFPA、IPPFの活動の概況、復興支援などについて視察した。
- 受入事業
派遣事業で訪問したアジアの国の議員を日本へ受け入れ、日本の進んだ保健・医療施設や、福祉関係施設などの見学、JPFPメンバーとの交流や、意見交換などを行っている。非欧米で最初に人口転換を達成した日本に、アジアの国会議員を招待することによって、日本の人口政策の歴史や開発のあり方などを学び今後の参考とすることを目的とする。2004年には、カザフスタン国議員団を日本へ受け入れ、都市対策や少子化対策について視察を行った。
歴代会長
1974年初代会長に岸信介元首相が就任、1979年より福田赳夫元首相、1990年より安倍晋太郎元外務大臣が会長に就任。1991年より中山太郎衆議院議員が会長を務めている。